大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和40(あ)285 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人の上告趣意(二通)は、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告

理由に当らない。

弁護人高木茂の上告趣意第一点について。

所論は、本件のような「ひき逃げ」の場合には、道路交通法七二条一項前段の救

護等の義務違反の罪のみが成立し、同項後段の報告義務違反の罪は成立しないもの

と解すべきであると主張し、これを前提として原判決の違憲(三一条)を主張する。

しかし記録によると、当裁判所第一小法廷は、本件についてさきに仙台高等裁判

所がした判決を破棄し同裁判所に差し戻した判決の理由において、いわゆる「ひき

逃げ」の場合には道路交通法七二条一項前段違反の罪と同項後段違反の罪が成立し

両者は併合罪となる旨を判示し、差戻を受けた仙台高等裁判所は、右第一小法廷の

見解に従い、同項後段の報告義務違反の点につき無罪の言渡をした第一審判決を破

棄し同義務違反の罪の成立を認め、これと他の有罪部分とが併合罪の関係に立つも

のとして処断していることが明らかである。このように下級裁判所が最高裁判所の

破棄理由とした法律上の判断に従つてした判決に対しては、その法律上の判断を不

服として上告することは許されないというべきであるから(昭和三九年一一月二四

日第三小法廷決定、刑集一八巻九号六三九頁参照)、所論は刑訴法四〇五条の上告

理由に当らない。

同第二点について。

所論は、違憲をいうけれどもその実質は量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五

条の上告理由に当らない。

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また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項本文により裁判官全員一致

の意見で主文のとおり決定する。

昭和四〇年一〇月一二日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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